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水俣から顎関節治療と審美治療と歯周病治療でご来院

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御紹介でこられた。顎関節症で口が開かない。

まずレントゲンやCTをとり、口腔周囲筋の触診をし、かみ合わせや顎の位置と運動の診断をした。

さらに歯周病などの問題もみられる。

審美治療といっても、歯周病や噛み合わせ、顎関節なども総合的に診なくては良い結果が出ない。

それにしても水俣はここから遠い。それでも患者さんは期待して来られる。身の引き締まる思いだ。
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ご紹介の患者さん

ご紹介の患者さん。
お口の中を見て驚いた。紹介してくれた方とお口の状態がそっくりなのだ。
下の歯はそこそこあるのだが、上の歯がほとんど無い。
しかも、下顎前突(下あごが前に出ている)。
前歯同士の位置関係が逆になる為、前歯同士が機能しにくく
特に上顎の歯列が崩壊しやすい。

紹介してくれた患者さんは40代。欠損をほとんどインプラントで補った。
紹介された患者さんは30代。上顎に入れ歯を入れることになった。

社会性を考慮し、まずは上に入れ歯を入れた。
入れ歯に慣れてもらいながら、歯周治療、歯内治療、(歯の周りと根っこの内部の治療)をしつつ少しでもご自分の歯を残すことに尽力する。

今までのことを後悔しても始まらない。歯を大切にすることの重要性を感じてもらいながら、今からのお口の健康を創って行かなければならない。

初めはとても恥ずかしそうにされていた。4回目の今日は軽い冗談さえ交わすことが出来た。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

治療計画の思い出

メインテナンスにいらっしゃった。思い出に残る患者さん。大切なことを教えてくださった。

3年前、全体の治療がご希望だった。欠損部があったので、インプラントも考えたことはあったようだが、骨の中に異物が存在し続けることへの、疑問は残るようだった。患者さんの職業が内科医なので、医学の常識で考えればそうなる。

結局、インプラント、小矯正、顎位の再設定、すべての根管治療をふくめ、審美的なことにも配慮した治療となった。

右上の5番は歯根破折しているので抜歯だと説明したが、ご本人の同意が得られず保存し補綴した。歯周ポケットも深いので生物学的には抜歯したほうがいいことや、何年もつか分からないことなどを伝えたが、使えるだけは使いたいとお考えのようだった。結局、リスクを負っていただくという条件で、患者さんの希望を全面的に受け入れた。

前歯の形では意見が割れた。私と歯科技工士のY君は右上の2をもう少し短くしたかった。下の歯との関係で右側方運動をしたときに噛み合わせがきつくなるからだ。ブラキシズムも疑われるので歯根破折やセラミックスのチップもありうる。術者側は常にリスクを避ける傾向がある。私と歯科技工士が立ち会って、何度も仮歯の調整をした。私は私の主張を通そうとしたし患者さんも同じだった。私と患者さんの言い分が次第に乖離していくのがわかった。

ある日自分の言うことを聞き入れてもらえないことで少し手技が乱雑になった。少しのことでも患者さんには伝わった。治療後話し合おうとおもい待合室の患者さんの横に腰掛けた。幸い2人だけだった。

自分の態度をわびた。
患者さんは優しくたしなてくれた。思いやりをこめて私の傲慢さを指摘してくれた。
夕日の差し込む2人だけの待合室で私は叱られた子供のようだった。

歯科医学のセオリーにこだわり自分の診断に自信を持つことは間違いではないだろう。しかしそれは医学であって医療ではないかもしれない。医療とは目の前の人に対して行われる。そこには気持ちやこころと言った定量化できないものが介在する。

最後には前歯の形も患者さんにリスクを負っていただくことと、ナイトガードで少しでも力学的負担を減らしていただくことを条件に患者さんのご希望にあわせた。

右上5は何とかもってくれている。右上の前歯は少し歯肉に赤みがあり負担過重が疑われるものの許容範囲だろう。今のところトラブルはないが、慎重な経過観察が必要だ。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

何故?ひとりチームプレイなのか。

ひとりチームプレイとよんでいる。
インプラント、審美、かみ合わせ、矯正などをひとりで駆使するからだ。一般に医療の分野は高度化が進むと専門化、細分化されやすい。それは医療だけではないかもしれない。勿論歯科も例外ではない。すべての分野である一定の高度を保つのは容易ではない。しかし、ひとりですべて行うメリットは大きい。

私はもともと歯科技工士として7年ほど働いていた。その後、仕事をやめ受験し歯学部生となった。歯科医院の中で歯科技工士をしていた為、技工だけではなく、歯科医療全般について少しばかり知識があった。勿論歯科技工をするときには、それが只のものではなく生体の一部として機能しなければならないので、隣接学問として、歯周病、顎関節症、などは積極的に学んだ。

歯学部の学生の頃のエピソードを話そう。
歯周病科の臨床実習のとき、驚いた。教官が、入れ歯の調整が苦手だというのだ。「技工士だろ。松村君やっといて。」逆らえないので仕方なく学生の僕が入れ歯の調整をした。歯周病は力学的な側面が大切だ。だからこそ、部分入れ歯のことがわからなければ、歯周病の管理など出来ない。専門馬鹿(失礼)にはあきれるしかなかった。

こんなこともあった。口腔外科実習のときのことだ。矯正科からの抜歯の依頼。教授についていた僕は驚いた。教授が抜こうとしていた歯は違うように思ったからだ。言おうかどうしようか迷った。口腔外科の教授といえば誰も逆らえない。まだ学生の僕が、教官が書いた依頼書が間違いじゃないかと言うのはかなりの勇気が必要だった。重苦しい空気の中、思い切って指摘した。「君ィ、何を言いだすんだね。そんなことがあるはずないだろう。」教授の声を聞くまでもなく、表情を見て震え上がった。それでも僕はあらん限りの知識で僕の主張の合理性を説いた。矯正科に連絡してもらい。真実がわかった。記入ミスだった。何もなかったかのように、抜歯は行われた。
その日の午後、教授は学生控え室まで来られて私に誤り感謝してくれた。一通りの知識があれば、おかしいと気づくのではないだろうか。

入れ歯ひとつ作るにも、歯周病学、歯科技工学、歯科理工学、を理解し、かみ合わせや顎関節を考慮しなければならない。インプラント一本入れるのでも、周りの歯のことやかみ合わせ、将来起こりうることなど考え合わせるべき事柄は多い。歯周病治療ではかみ合わせの知識は不可欠だし歯周病治療の為の矯正もある。

さきほど、銀歯のクラウンをやり変えたいとのご希望の患者さんがいらっしゃった。くどいようだけれど歯茎の状態やかみ合わせや歯並びの現状についても説明した。勿論患者さんの希望は尊重する。しかし、総合的な医学的診断をお伝えするべきときもある。

今日も僕のひとりチームプレイはつづく。

治療計画の変更

午前中の患者さん。

奥歯でしっかり噛む為にインプラント。見た目ではなくかみ合わせのための矯正。クラウンのやり変えのための根っこの治療。軽度歯周病の治療。顎位の修正。これらを組み合わせ、総合的に治療している。出来れば、悪いところは徹底的に治療した方がいい。しかしよくないところをすべて治療することだけが良い結果を生むとは限らない。治療介入するにはそれだけの理由が必要だ。

総合的な全顎治療では何に重きを置き、どのように組み合わせるのかが重要だと考える。目指すゴールを何点に設定するのか。費用、期間、治療中の快適さ。それらをすべて満たすことは出来ないので、どこに力点を置くのかを常に考える。

歯科医師が医学的にこうだと言えば、不満や疑問があっても黙って従う患者さんは多い。そこにはある種の我慢を強いることとなる。だからこそ治療中の快適さも重要だと考える。勿論医学的に無理なことも多いが。

先ほどの患者さん。あまり自己主張をなさらない。こちらで考え合わせて提案した通りに治療を進めていた。いろいろ聞いていくと、子供を預けるので、回数を減らしたいこと、右のインプラントである程度噛めるようになってきたので、治療のゴールを少し低くしてでももっと早く終わりたいことなどが伝わってきた。

修正案を考えた。矯正を中止して、期間を短縮し回数も減らすこと。クラウンのやりかえを極力減らすことなど。勿論患者さんに迎合し妥協するわけではない。いつでも再介入できるように信頼されることの方が重要かもしれない。

もちろん治療することの意味と意義を伝えていかなければならない。専門家集団として。
プロフィール

松村まこと

Author:松村まこと
上通り並木坂という比較的街中にアクアデンタルはあります。審美歯科が得意です。歯周病、インプラント、矯正、かみ合わせ治療などを駆使した総合型治療を目指しています。
元歯科技工士で手先の器用さには自信があります。

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