スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

噛めない患者さん

治療は成功ばかりじゃない。上手く行かないこともある。

初めから難症例だった。上下左右の残っている歯の位置がアンバランスだった。
それでもなんとか入れ歯を作ったが、調整に苦労した。

今日、噛み癖の修正をすれば何とかなるかもしれないことがわかった。
解決の糸口が見つかったような気がした。
もう少し頑張ってくださいねと、声をかけたが患者さんの表情はさえなかった。

次回の予約を取らずに帰られたと受付から聞いた。
多分もうアクアデンタルに来られる事はは無いだろう。そんな気がする。

自分だけがんばっているつもりだったが、患者さんもつらかっただろう。

何とかできなかったのだろうか、後悔ばかりが駆け巡る。
スポンサーサイト

噛める入れ歯

前の記事の続きです。

今日、入れ歯の経過を診せにいらっしゃいました。

入れ歯は装着したときは調子よさそうでも、食事をしてみないとその評価はできません。
ですから正直なところ、今日は不安でした。
せっかく遠くから頼ってきてくださるのに、結果が出せないとつらいのです。
「先生初めは良かったけど、これじゃあ痛くて食べられんよ。」こんな言葉が出たら落ち込みます。

「いかがですか?」どきどきしてたずねると、
「ちゃんと食べれましたよ。」うれしい返事、
「先生、思いきって通ってよかったぁ。」素敵な笑顔がこぼれました。
「それは良かったですね。」平静を装った私ですが、とてもうれしかったのです。

インプラントを使えばもっと効果は出せたのですが、今回は年齢や体力を考慮して保険の入れ歯にしました。保険の入れ歯でほめていただくと、本当にうれしいです。

良い例ばかりではありません。
午前中の保険外の難症例で、まだ結果を出せていないので、もっと精進しないといけません。

入れ歯で綺麗に

DSC02788.jpg

この患者さんの続き。

その前はこちら

今日入れ歯ができて、やっと上あご終了。大津という比較的遠いところから、車で50分。息子さんに運転してもらって、がんばって通ってこられた。

まずある程度噛めるようにした。すると今度は、患者さんの要求がエスカレートしてもっと噛めるようにしてくれと言われた。

インプラントを使えばかなりの成果が見込まれる。年齢を考えて入れ歯で機能回復を図った。
まず、入れ歯の支えになって過労状態だった歯を治した。ぐらぐらだった歯がしっかりしてきたのだ。「よくなりましたねぇ。」少し得意げな僕に「先生どこがどう良くなったんですか。」今まで散々歯医者で苦労してきた方だ。いい加減な説明では納得してくれない。

一つひとつ説明しながら、治療を進めた。そこそこの治療結果が見込まれ、できるだけ介入量の少ない計画をたてていた。

何回目かのある日、アクアデンタルに来ることになったいきさつを話し始めた。
今まで歯科医で苦労したこと。近くに歯医者は何軒もあるが、行く気になれなかった事。
ある方にアクアデンタルを紹介されたこと。息子さんが心配されて、まずは息子さんが探る目的で来院されたこと。

そこまで歯科選びが大変だとは・・・。期待値は大きい。身の引き締まる思いだった。

今日は入れ歯が綺麗に入った。
「通院は大変だったバッテン、先生のところに来て、ホント良かったー。」
素直にうれしかったが、こう切りかえした。
「だめだめ、ばあちゃんナ、歯医者でタイガ苦労しとっど?まーだ噛んでみらんと判らんタイ。入れ歯は使って何ぼダケン。」
「センセ、とこっで、下の歯も古かけん、作ってハイよ。」
「まだまだ、触らんでヨカですよ。大事に使ってください。」

要求はエスカレートする。ちゃんと噛めるといいが・・・。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

おじいちゃんはゲンキに食べていた。

この記事の続きです。
久しぶりにおじいちゃんのところに行った。ご夫婦で明るく迎えてくれた。
おじいちゃんは寝たままで少し暑そうだったけれど、おばあちゃんに言わせると、「動けんけん、たまには日に当てたり風に当てたりせにゃんとたい。」とのことだった。
起き上がろうとするおじいちゃんを制し、寝たままでお口の中を照らしておどろいた。
それなりにお手入れができていた。しかもちゃんと噛めているというのだ。気を使われているのかと思い、本音を引き出すインタヴューテクニックでどの程度噛めているのか聞き出した。
もちろん、満足のいくレベルではないにしても、何とか食事はできていた。大好きなお刺身を食べることができるのが、何よりうれしそうだった。

噛めていることもよかったが、何よりお口の中のお手入れ状態が改善されていて嬉しかった。少ししかお手入れの話はしなかったにも関わらずだ。噛めるようになったことで、口腔に関心がわいたのだと思う。歯磨き指導なんてものは案外こんなモチベイションアップがきっかけになるものだ。

気をよくして、歯周病と誤嚥性肺炎の話を始めた。「先生、奥さんナ、からいもは好かすナ?」おばあちゃんにさえぎられた。
「私は好きでも嫌いでもなかです。」
「あたじゃなか、奥さんタイ、おなごんひとは、たいがい、好かすもんな。大津のうまかからいもダケン、もって行きなっせ。」袋に詰め替える音がした。

靴を履きながら礼を言おうと後ろを振り返った。残暑の西日のを背におじいちゃんが立っていた。はじめてみせる笑顔だった。

テーマ : 歯医者
ジャンル : 心と身体

噛めるようにはなったものの・・・

2009_0716_203818AA.jpg

この記事のその後
老婦人がこられた。息子さんの送迎で。

噛めるようになったという。
少し安心したのもつかの間、でも左で硬いものが噛めないという。

ここからが、勝負のしどころだ。
特に年配の方には、好物を思い切り食べていただきたい。
体の自由が制限され始めると食に対する要求の度合いが深まることが多いからだ。
うまいもんぐらいしか楽しみがない、という方もいらっしゃる。

治療のゴールはひとつではない。
人によって異なる。その人の価値観に左右されることもあれば、健康状態によってもさまざまだろう。
ただ同じ80代でもこれまた健康度も価値観も異なる。

まずは最低限主訴は解決した。そこから、その人にあった治療が始まる。
これで十分だという方もいるだろう。
しかしこのご婦人は違った。もっと噛みたいという。

いればの引っ掛けがある歯のレントゲンを撮った。近心に影が見える。骨欠損だ。
十分説明して、冠をはずした。ルートプレーニングをして自然提出をはかり、骨植の改善を待つ。

夕方スタッフから報告を受けた。患者さんが不安そうだったというのだ。
少し考えて、ご自宅に電話してみた。一通り説明したら、安心してもらえた。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

松村まこと

Author:松村まこと
上通り並木坂という比較的街中にアクアデンタルはあります。審美歯科が得意です。歯周病、インプラント、矯正、かみ合わせ治療などを駆使した総合型治療を目指しています。
元歯科技工士で手先の器用さには自信があります。

最新記事
カテゴリ
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。