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治療計画の思い出

メインテナンスにいらっしゃった。思い出に残る患者さん。大切なことを教えてくださった。

3年前、全体の治療がご希望だった。欠損部があったので、インプラントも考えたことはあったようだが、骨の中に異物が存在し続けることへの、疑問は残るようだった。患者さんの職業が内科医なので、医学の常識で考えればそうなる。

結局、インプラント、小矯正、顎位の再設定、すべての根管治療をふくめ、審美的なことにも配慮した治療となった。

右上の5番は歯根破折しているので抜歯だと説明したが、ご本人の同意が得られず保存し補綴した。歯周ポケットも深いので生物学的には抜歯したほうがいいことや、何年もつか分からないことなどを伝えたが、使えるだけは使いたいとお考えのようだった。結局、リスクを負っていただくという条件で、患者さんの希望を全面的に受け入れた。

前歯の形では意見が割れた。私と歯科技工士のY君は右上の2をもう少し短くしたかった。下の歯との関係で右側方運動をしたときに噛み合わせがきつくなるからだ。ブラキシズムも疑われるので歯根破折やセラミックスのチップもありうる。術者側は常にリスクを避ける傾向がある。私と歯科技工士が立ち会って、何度も仮歯の調整をした。私は私の主張を通そうとしたし患者さんも同じだった。私と患者さんの言い分が次第に乖離していくのがわかった。

ある日自分の言うことを聞き入れてもらえないことで少し手技が乱雑になった。少しのことでも患者さんには伝わった。治療後話し合おうとおもい待合室の患者さんの横に腰掛けた。幸い2人だけだった。

自分の態度をわびた。
患者さんは優しくたしなてくれた。思いやりをこめて私の傲慢さを指摘してくれた。
夕日の差し込む2人だけの待合室で私は叱られた子供のようだった。

歯科医学のセオリーにこだわり自分の診断に自信を持つことは間違いではないだろう。しかしそれは医学であって医療ではないかもしれない。医療とは目の前の人に対して行われる。そこには気持ちやこころと言った定量化できないものが介在する。

最後には前歯の形も患者さんにリスクを負っていただくことと、ナイトガードで少しでも力学的負担を減らしていただくことを条件に患者さんのご希望にあわせた。

右上5は何とかもってくれている。右上の前歯は少し歯肉に赤みがあり負担過重が疑われるものの許容範囲だろう。今のところトラブルはないが、慎重な経過観察が必要だ。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

松村まこと

Author:松村まこと
上通り並木坂という比較的街中にアクアデンタルはあります。審美歯科が得意です。歯周病、インプラント、矯正、かみ合わせ治療などを駆使した総合型治療を目指しています。
元歯科技工士で手先の器用さには自信があります。

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