噛めるようにはなったものの・・・

この記事のその後
老婦人がこられた。息子さんの送迎で。
噛めるようになったという。
少し安心したのもつかの間、でも左で硬いものが噛めないという。
ここからが、勝負のしどころだ。
特に年配の方には、好物を思い切り食べていただきたい。
体の自由が制限され始めると食に対する要求の度合いが深まることが多いからだ。
うまいもんぐらいしか楽しみがない、という方もいらっしゃる。
治療のゴールはひとつではない。
人によって異なる。その人の価値観に左右されることもあれば、健康状態によってもさまざまだろう。
ただ同じ80代でもこれまた健康度も価値観も異なる。
まずは最低限主訴は解決した。そこから、その人にあった治療が始まる。
これで十分だという方もいるだろう。
しかしこのご婦人は違った。もっと噛みたいという。
いればの引っ掛けがある歯のレントゲンを撮った。近心に影が見える。骨欠損だ。
十分説明して、冠をはずした。ルートプレーニングをして自然提出をはかり、骨植の改善を待つ。
夕方スタッフから報告を受けた。患者さんが不安そうだったというのだ。
少し考えて、ご自宅に電話してみた。一通り説明したら、安心してもらえた。
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